四国4県創生総合戦略、60年の人口減2~3割に抑制

 四国各県で地方創生に向けた総合戦略と人口ビジョンがまとまりつつある。各県とも何の対策も講じなければ2060年に人口が現在より4~5割減るとの推計を踏まえ、施策の総動員によって人口減の抑制を目指す。各県が掲げる60年時点の人口目標が達成できれば減少幅は2~3割に縮むが、ハードルは高く実効性が問われる。

 4県では全国に先駆けて3月に総合戦略を決めた高知県が20日、人口ビジョンを織り込んだ内容の改定を協議。香川県も17日にまとめた総合戦略と人口ビジョンの案に対し20日に有識者の意見を聞いた。徳島県は7月にそれぞれを策定済み。愛媛県は骨子の段階だが、香川・愛媛両県とも10月に策定を予定する。

 各県は国立社会保障・人口問題研究所のデータなどに基づき、今のペースで人口が減り続けた場合に60年時点の人口が愛媛は60万人、香川は39万人、徳島と高知は35万人少なくなると推計。出生率の引き上げや社会増減の均衡を目指す諸施策により人口減に歯止めをかけることを目指す。

 ただ各県の人口目標は理念的な面もある。徳島県は政策効果で60万人を上回る人口の確保を目標とする。60万人とは国が掲げる「60年に1億人程度の人口確保」という比率を徳島県に当てはめた水準だ。愛媛県は人口が今のまま減り続ければ81万人になるという推測に最低20万人を上積みし100万人を目指す。

 目標達成に向けた今後5カ年の行動計画となる総合戦略で、骨子の愛媛県を除く各県は各施策に数値目標を掲げた。国が地方創生を推進するために設ける新型交付金は対象事業に数値目標を定め、効果を検証できるよう求めているためだ。

 香川県は14年に1.57だった合計特殊出生率を30年までに1.8程度に引き上げるため、保育所の待機児童数を19年度にゼロ(今年4月時点で129人)とするほか、地域子育て支援拠点を14年度の77カ所から19年度に96カ所に増やすなどの目標を示した。

 徳島県は20年までに転入者と転出者を均衡させて社会減をゼロにするため、県内大学生らの県内就職率を19年度末までに50%以上に高める(13年度は44.5%)。このほか情報通信関連企業などの誘致や観光振興などで19年度末までに4千人の雇用創出を目指す。

 各施策では独自色を出そうという苦心もうかがえる。愛媛は「えひめ結婚支援センター」によるビッグデータを生かした独身男女のマッチング率向上の独自ノウハウを市町に広げる方針。高知は県産品を県外で売り込む「地産外商」などを通じた雇用創出を目指す。ただ、従来施策の再構築という側面も目立つ。

 数値目標も各県で重なる部分が多い。徳島は結婚や出産の希望がかなった場合の希望出生率を25年に1.8に高めるとする。愛媛は30年に1.8、高知は1.84が目標だ。社会増減は高知が19年、香川が23年の均衡を目指すとする。 (8/22 日経新聞四国ページより)

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