世界に訴える強み探せ 徳島市出身の猪子チームラボ社長

January 6, 2016

 四国の中心市街地から活気が失われつつある。にぎわいをもたらすには何が必要か。徳島市出身で、デジタル技術やアートを活用した街おこしを手掛ける、チームラボ(東京・文京)の猪子寿之社長に聞いた。

 

 ――地方都市の現状をどう見ますか。

 

 「いまさら大都市と同じような開発をしたところで勝てはしない。その街の歴史的背景や地理的側面を生かしたアプローチをしなくては。ただ『豊かな自然がある』のはどの地方も同じ。自分たちの強みを見つけてアピールすることが重要だ」

 「いま取り組んでいるのは、地方の街並みや自然環境に、映像や音などのデジタルアートを組み合わせるプロジェクト。元からの特徴を引き出したうえで新たな魅力を付け加えて、わざわざ行きたくなる『別世界』に仕立てる。これは大都市にはできないことで、海外にもアピールできるポテンシャルがある」

 

 ――徳島市で開く「徳島LEDアートフェスティバル」の芸術監督に就任しました。

 

 「会場となる市中心部と自然がとても近く、身近に感じられるところが魅力だ。徳島城跡の城山には珍しい原生林があり、何本もの川が街中をめぐっている。そういった森や水を生かしつつ作品作りをしたい。徳島市以外でも、県内には峡谷や滝など特徴的な自然がある。これらを使ったアートにも興味がある」

 

 ――徳島の「強み」は他に何があるでしょう。

 

 「阿波おどりだ。街の中でみんなが踊れる、というイベントは世界的にあまり無い。そこの部分を強めていけばいい。例えばスペインのイビザ島は、夏場に世界から観光客が来てビーチやクラブなど島中で踊っている。そうなれば夏の稼ぎだけで食っていける」

 「そういう都市はインドのゴアやタイのパンガン島など他にもあるが、東アジアにはまだ無い。いま(徳島市で夏に開かれる)阿波おどりは年に4日間しか開催していないが、これを前後に広げていけば、経済効果を大きくできる可能性がある」

 

 ――海外から観光客を呼べますか。

 

 「グローバル化が進むと、文脈を共有しなくても直感的に楽しめるプリミティブなものが脚光を浴びる。音楽の世界でEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)が一大産業になっているのもその表れだろう。世界有数のダンスがあるのは大きな強みだ」

                    (1/6   日経新聞四国ページより)

 

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