「四国創生論」建築家の伊東豊雄さんに聞く

January 5, 2016

――地方創生への関心が高まっています。

 「私は20年以上公共建築に携わっている。重要プロジェクトの多くを地方で手掛けており、訪れるたびに都会と違った豊かさを感じていた。国の調査によれば、東京在住者の約4割が地方移住を検討しているか検討したいと回答し、3割弱が都市と地方の2地域居住を希望している。地方の存在はこの先さらにクローズアップされるだろう」

 「最大の魅力は自然がありコミュニティーが残っていること。都会人は均質な生活で表情が乏しいが、地方のお年寄りなどはとても個性豊かだ。人の絆やコミュニティーは災害が多い日本では重要で、東日本大震災を機に被災地ばかりか都会でも実感が深まった」

 
 ――愛媛県今治市の離島でも「みんなの家」に取り組んでいます。

 「大三島で『今治市伊東豊雄建築ミュージアム』を建設したのを機に、私や私塾のメンバーが現地に入り、島の美しさにひかれて住民と自主交流を始めた。空き家を『みんなの家』に改修するなどしており、日本一美しい島を作る意気込みだ」 ――地方の街づくりについての提言は。

 「ミニ東京を目指すのではなく独自性を追求してほしい。瀬戸内は近代建築の名作が生まれた地域であり、香川県庁舎や今治市庁舎など建築関係者にとっての財産が今なお残る。当時、新しい文化を創ろうという意識があったのだろう。今の自治体トップにもそうした気概を求めたい」

 「四国は全国的にも空き家率が高い。自治体が若手建築家と住民の協働を後押しして公共スペースとして再生する仕組みなどがあれば、コミュニティー維持につながる。四国にはエネルギーがある。潜在力を生かせば都市消滅どころか豊かな文化圏を築くことができる」

                   (1/5  日経新聞四国ページより抜粋)

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